英語学習者
英語の速読は、とくに苦手な方の多いスキル。
しかしコツを掴めば、だれでも短期間で速読力を身につけることは可能です。
今回は、ぼく自身がいつもリーディング時に実践している、速読のコツを7つシェアします。
▶︎TOEICが時間内に解き終わらない。
▶︎長文リーディングを得意にしたい。
0. 執筆者の速読力【当記事の信頼性】
まず当記事の執筆者である、ぼく自身のWPM(1分間に読める文字数)は220~250。
一般的な日本人のWPMが平均80~100なので、平均値の約2倍以上の速度で読んでいます。
なお英語リーディングの経歴としては、大学1年時に英検準1級、大学3年でTOEIC930点を取得しています。
目次
1. 英語学習者に「速読トレーニング」が必要な3つの理由
初心者・上級者にかかわわらず、すべての英語学習者が「速読のトレーニング」を行うべきです。理由は3つ。
❷「速読力」と「理解力」は比例する。
❸英語学習の選択肢が増える。
おすすめ理由① 1度身に付けると衰えない
速読トレーニングがおすすめな1つ目の理由は、速読力は1度身に付けると衰えないから。
速読のスキルは単語や文法と違って、暗記するものではなく経験を積んで慣れるもの。
ぼくが学生の頃に受けたTOEICは930点。社会人になってから受けたときは920点。
社会人になってから受けた際は1年近くノー勉でしたが、点数は10点下がっただけでした。
しかしTOEICで1番大事な速読力が全く落ちていなかったので、900点以上を維持できたわけです。
速読のような「頭の使い方」は簡単には忘れません。なので速読力は、英語学習の序盤に身につけておきましょう。
おすすめ理由② 速読力と理解度は比例する
「速読」というと、理解度を捨てるイメージがあるかもしれませんが、じつは真逆です。
むしろ英語を読む速度が速くなればなるほど、英文の理解度は高まります。
↓
❷余計なことを考える暇がなくなる
↓
❸集中力が上がる
↓
❹理解度が上がる
おすすめ理由③ 英語学習の選択肢が増える
英語学習者に速読トレーニングがおすすめな最後の理由は、英語学習の選択肢を増やすため。
というのも、英語はどんな勉強法を選んでも結局、速読のスキルが必要になります。
▶︎映画・海外ドラマ
▶︎英字新聞・ニュース
実際ぼくも、速読ができるようになってから、娯楽として洋書を楽しめるようになりました。
また今では、Netflixで初めて見る作品でも、英語字幕に95%ついていくことができます。
2. 速読のコツ7選【英語長文を攻略】
速読のコツ① 指で文をなぞりながら読む
指でなぞる目的は、どんな英文でも常に一定のペースを保って読めるようにするため。
たとえば以下の単語だと、通常は①→⑤の順に読むスピードが遅くなりませんか?
❶go
❷draw
❸exercise
❹incidentally
❺approximately
もし文字数の多い単語ほど読むのに時間がかかっているなら、理由は頭の中で音読しているから。
「頭の中での音読」は、英語の読解スピードを落としてしまう、典型的な要因の1つ。
一定のスピードで指を動かし、その指の動きについていくように英文を読んでみて下さい。
これだけで、単語の長さにかかわらず、常に同じスピードで読むことができるようになります。
ポイントは、自分がラクに読めるスピードで指を動かすのではなく、普段よりも少し早めに指を動かすこと。
慣れてきたら、速読力を上げるため、指を動かすスピードを徐々に上げていきましょう。
速読のコツ② 1語ずつ丁寧に読まない
頭の中で日本語訳をしている限り、どれだけ練習をしても読解スピードは上がりません。
そして「日本語に訳さない」がクリアできたら、さらに1歩踏み込んで「1語ずつ読まない」を意識してみて下さい。
英文を1語ずつ丁寧に読まないようにするため、意識すべきことは2つ。
❷英語をイメージで理解する。
速読が得意な人は、普通の人が1語読む間に、2〜5語イッキに読んでしてしまいます。
そこで「連語」と「熟語」が登場したときは、2~5単語まとめて読むよう心がけてみて下さい。
連語や熟語を「ひとまとまりで1単語」と考え、これらを1単語読むのと同じスピードで読んでみましょう。
連語(=コロケーション)
- take advantage of「利用する」
- What I’m trying to say is「つまり」
- In case you didn’t notice「念のため」
熟語(=イディオム)
- be about to「しようとしている」
- in the near future「近い将来」
- in the middle of「まん中に」
“In”,”case”,”you”,”didn’t”,”notice” を1語ずつ読むのではなく、”In case you didn’t notice” を1単語として読むことで、速度が5倍早くなります。
「連語」「熟語」が登場したらラッキー。意識して1単語読むときと同じスピードで読みましょう。
英文を1語ずつ読まないようにするためには、英語をイメージで理解することも大切。
「イメージで理解」できれば、日本語を使うことなく英語を読めるので、速読力が目に見えて上がります。
❷英語→イメージ
【関連記事①】英文の読み方・解き方コツ7選
英語をイメージで理解する方法は、以下の記事にまとめています。
英語長文で、効率よく点を取れるようになりたい方はこちらの記事も要チェックです。
速読のコツ③「返り読み」をやめる
日本人が英語の速読を苦手とする理由は、英語と日本語の語順が全く違うから。
なので英語を日本語の語順で読むと、つい「返り読み」をしてしまいます。
では「返り読み」をなくすための、具体的な方法を3つ紹介します。
❷読んだ箇所から隠していく。
❸スラッシュリーディングを使う。
❷のように、英文を隠すための紙を用意して、読んだ行から覆いかぶせていくのもおすすめ。
このやり方なら、読んだ箇所が目に入らなくなるので、返り読みが物理的に不可能になります。
❸の「スラッシュリーディング」に関しては、次の章で解説します。
速読のコツ④ スラッシュリーディング
速読のコツ4つ目は「スラッシュリーディング」です。
スラッシュリーディングは、英文を区切りながら読むことで、英語を前から読むための技術。
スラッシュを使い「英語の語順」で読むことに慣れれば、自然と返り読みのクセも治ります。
❷「準動詞(不定詞・動名詞)」
❸「関係詞」
❹「接続詞」
文章を複雑にする要因である、これらの品詞の前にスラッシュを入れながら読みましょう。
最初はペンを使ってスラッシュする必要がありますが、慣れたら頭の中だけで出来るようになります。
例文He promised / to never lie again / but I don’t think / he’s going to keep it.
「彼は約束した / 2度と嘘をつかないと / でも僕は思わない / 彼が約束を守ると」
【関連記事②】スラッシュリーディングのやり方
スラッシュリーディングの詳しいやり方とコツは、以下の記事にまとめました。
実践問題を2問つけてあるので、習熟度を試すため挑戦してみてください。
速読のコツ⑤ わからない表現は飛ばす
英語を速読する5つ目のコツは、わからない表現を積極的に飛ばすこと。
というのも、いくら勉強しても知らない単語は無限に出てくるので、速読のためには思い切って飛ばす勇気が必須です。
❷飛ばした方が点数上がるから。
まず、この記事を読んでいるあなたは、単語も文法もしっかりインプットしているはず。
それでもわからない表現が出てきたとしたら、それはつまり他の皆もわからない表現。
また英語の試験では、知らない表現は思い切って飛ばした方が、結果として点数上がります。
とくにTOEICのように処理速度が求められるテストでは、とにかく時間内に終わらせることを優先させましょう。
また英検のように時間に余裕のある試験では、わからない表現は以下のように対処するのが効率的です。
❶試験を一通り終わらせる。
❷改めてわからない箇所を見直す。
まずは一通り終わらせ、全体像を理解したあとに見直した方が、正答率上がります。
ただし基礎レベルの単語2,000語がインプットできてないと、読解の効率が悪くなります。
知らない単語が頻出しすぎて、飛ばす箇所ばかりになってしまっては元も子もないので。
速読のコツ⑥ ディスコースマーカーに注目
速読のコツ6つ目として、ディスコースマーカーに注目して読みましょう。
以下のように、ディスコースマーカーが登場すると、前後の文章の意味がガラっと変わります。
「彼イケメンなの。でも彼氏としてはちょっとなあ」
「彼女まじタイプだわ。今度デートに誘おうかな」
なぜディスコースマーカーが大事かというと、これを見ただけで、あとに続く文章が推測できてしまうからです。
英語の長文で登場するディスコースマーカーは、大きく分けて5種類あります。
これらを上手く見つけることができれば、英文を迷うことなく読めるので要チェックです。
①結果
- Therefore, So, Accordingly 「したがって」
- As a result「結果として」
- Thus, Hence「そのため」
②要約
- In short, In a word, To sum up「要するに」
- Simply, Briefly「簡潔に言うと」
- In other words「言い換えると」
③追加
- In addition, Besides「加えて」
- Furthermore, Moreover「さらに」
- On top of that「その上」
④例示
- For example, For instance「例えば」
⑤逆説
- But, However, Nevertheless「しかし」
- Although「〜だけど」
- On the other hand「一方で」
ディスコースマーカーについて、より詳しく学びたいという方は、下記の書籍がおすすめ。
速読のコツ⑦ 明確な「目的」「疑問」を持って読む
ただ漫然と読むのではなく、自分が知りたい情報を探しながら読むことを意識しましょう。
「自分に必要な情報」が書かれている箇所は丹念に読み、必要ない情報は素早く読み流すことで、読解の効率が上がります。
疑問や目的を持つためのコツとして、英文を読み始める前に目次や設問に目を通しましょう。
目次や設問を先読みし、必要な情報をピックアップしておくことをスキミングといいます。
スキミングを丁寧にやることで、以下2つの効果が期待できます。
❷文章の内容をイメージできる。
目次や設問の内容をつなげれば「1章は〇の内容」「2章は△の内容」と容易に想像できるはず。
こうやって全体像を把握しておけば、多少難しい表現が出てきても詰まることがないので、よりスムーズに速読できるようになります。
3. 速読のおすすめ参考書『2週間で英語の読解スピードが3倍になる本』
最後に、速読力を鍛えるために、ぼくが使用したおすすめの参考書を1冊紹介します。
まず著者はTOEIC990点連続取得者で、リーディングパートは毎回30分で解き終えるそう。
速読力もWPM500と、アメリカ人の2倍の速度で英語を読めるバケモノ級の人が書いた本です。
❷速読のコツを解説。
❸練習問題(10問)で実践。
ただ現状「TOEICで時間が足りない」という方が、この本1冊で、試験時間内に終わるレベルに達するのは十分可能かと。
ぼく自身この本を読む前はWPM180~200でしたが、3日間で220~250まで上がったので。
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これらのコツを実践しても速度がなかなか上がらない人は、おそらく速読以前の問題。
単語・文法をインプットして、英文解釈の練習を積んでから、再度速読にチャレンジしてみて下さい。
こんにちは!高校3年生です!
谷村さんのおかげで英語の模試の点数が20点以上上がりました!周りにもびっくりされました笑
(定期テストの順位なども下から数えた方が早いくらいだったので…)今も共通テストに向けて2日に1度リーディングのテストがあるのですが、点が下がることがなく、むしろほぼ毎回上がり続けてます。自分でも、読み取りが速くなってるな…と実感出来るくらいです。
細かく丁寧にかつわかりやすく説明されてるので
とても参考になりました。今回嬉しさのあまり感謝を伝えたくてコメントさせて頂きました。
友人や先生にも紹介したいくらいです笑
このブログに出会えて良かったです!
ありがとうございました!!
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