英語学習者
いくら勉強してもリスニングが上達しない…僕もそうでした。でも実は原因はシンプルで、英語特有の「音の変化」を知らないだけ。
ネイティブは会話の中で「音の変化」を多用するため、僕ら日本人には聞き慣れない音が頻発します。それが英語を聞き取れなくする原因。
▶︎英語の「音声変化」をマスターしたい。
▶︎短期間で発音を良くしたい。
目次
1. 英語の音声変化5つのルール
ルール①「連結」
まず1つ目は「連結」これはシンプルに、2つの音がつなげて発音されることです。
具体的には単語の末尾の子音と、次の単語の先頭の母音が連結して1つの音になるということ。
「連結」の具体例
- un American →「アナメリカン」
- on a couch →「オナカウチ」
- Look up. →「ルッカッ」
- sing along →「シンガロン」
- Let’s dig in. →「レッツディギン」
ただし一点注意なのが、音声変化が起きるかどうかは、スペルではなく音声で決まること。
たとえば “make” の場合。スペルで見ると母音で終わっていますが、発音は [meɪk]。語末の音は [k] なので、紛れもなく子音です。
「連結」の具体例②
- make up →「メイカッ」
- come on →「カモン」
- hide away →「ハイダウェイ」
- give it to me →「ギヴィトゥミー」
- take it easy →「テイキリージー」
ルール②「同化」
2つ目のルールは「同化」これは2つの単語がつながることで、全く別の音で発音されること。
この音声変化が起きる条件は、主に “want to” と “going to“、”of course“、もしくは後に続く単語が “you” のとき。この4パターンだけです。
「同化」の具体例
- want to →「ワナ」
- going to →「ゴナ」
- Of course. →「オフコース」
- Would you~? →「ウッジュー」
- get your car →「ゲッチュアカー」
- place your order →「プレイシュアオーダー」
ルール③「脱落」
音声変化ルール3つ目は「脱落」これは、特定の子音をあえて発音しないことです。
具体的には、語末の子音と次の単語の子音、この2つが全く同じ音、もしくは似ている音の場合、前の子音が発音されなくなります。
「脱落」の具体例
- get tired →「ゲッタイアド」
- some more →「サモア」
- good day→「グッデイ」
- sit down →「シッダウン」
- Just do it. →「ジャスドゥーイッ」
- Who said that? →「フーセッザッ」
また、[p][t][k]などの破裂音と呼ばれる子音は、文や句の最後にくると発音されません。
「脱落」の具体例②
- on foot →「オンフッ」
- make up →「メイカッ」
- take it →「テイキッ」
- Look! → 「ルッ」
- This is it. →「ディスイズイッ」
- That’s right. →「ザッツライッ」
例えばThis is it.だと「ディスイズイ」ではなく「ディスイズイッ」のように、”t” があった形跡。つまり1拍分のポーズが残ります。
カタカナで表記するなら小さな「ッ」です。きちんとポーズを入れないと伝わらないことが多いので、余白を意識して発音しましょう。
ルール④「ら行化」
音声変化の4つ目は「ら行化」これは名前の通り、”t” と “d” が日本語の「ら行」になること。
具体的には [t] [d] が母音に挟まれた時に起こります。アメリカ英語で頻発する音声変化で、日本語の「ラリルレロ」で発音してOKです。
「はじき音化」の具体例
- water →「ウォーラー」
- letter →「レラー」
- let it be →「レリビー」
- What about it? →「ワラバウリッ」
- take it easy →「テイキリージー」
- not at all →「ナラロー」
ルール⑤「弱形」
そもそも冠詞や代名詞、前置詞、助動詞など、文の中で脇役となる品詞は「機能語」と呼ばれ、それ単体では強い意味を持ちません。
そのため機能語は、母音が弱く発音されます。この音を「弱形」または「あいまい母音」と呼び、小さな「ゥ」に近い音で発音します。
「弱形」の具体例
- of →「ゥブ」
- for →「フゥ」
- will →「ウゥ」
- can →「クン」
- the →「ドゥ」
- and →「ン」
- was →「ゥズ」
もちろん機能語も、特別に意味を強調したいときは、弱形ではなく普通に発音されます。
内容語が「弱形」にならないとき例
- I did it for him.
→「彼のためにやってあげたんだ」
- That’s the only PC I had.
→「それ僕の唯一のPCだったんだ」
- Yes I can.
→「もちろんできるよ!」
2. 音声変化を1冊でマスターできる参考書
音声変化の「知識」に関しては、当記事だけで十分身につきますが、その知識を効率よく定着させるための参考書が『ハイディの法則』。
そもそも音声変化に対し苦手意識を持っている方が多いですが、ぼくら日本人には「カタカナ」という最強の武器があります。
『ハイディの法則』の音声変化チラ見せ
- would have →「ウルヴ」
- ought to →「アラ」
- get it on →「ゲリロン」
- take it in →「テイキリン」
- have to →「ハフタ」
- see →「スィー」
- take it easy →「テイキリージー」
- not at all →「ナラロー」
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3. 音声変化を習得する最も効率的な勉強法
当記事で音声変化の「知識」を身に付け、『ハイディの法則』で知識を「定着」させたら、あとはアウトプットを重ねて自動化しましょう。
音声変化を「自動化」することで、どんな英文を聞いても100%理解でき、自分で発音するときにも無意識で使いこなせるようになります。
初心者向け:ディクテーション
ディクテーションは、聞いた英文をそのまま書き取るシンプルな勉強法ですが、音を細部まで正確に聞き取れるようになるため、リスニング初心者のうちは欠かせない勉強法です。
そもそも英語が聞き取れない原因は「スピードが速い」からではなく、「細かい音が聞き取れない」から。つまり音声変化を知らないだけ。
ディクテーションをすることで、どこが聞き取れて、どこが聞き取れないかが明確になります。つまり弱点把握が容易にできます。
そしてリスニング初心者のうちは大抵「聞き取れない箇所」=「音声変化が起きている箇所」です。音声変化を重点的に練習することで、聞き取れない音を1つずつ潰していきましょう。
中上級者向け:シャドーイング
中上級者のリスニング課題は、大枠では聞き取れるけど細部を聞き逃してしまう。また、聞き取れても忘れてしまうことです。
よくリスニングが苦手な人で「記憶力が悪いから聞いても忘れる」という人がいます。断言しますが、それは記憶力の問題ではありません。
忘れてしまう原因はシンプル。音声を自動化できてないため、音の聞き取りに神経を使いすぎて、覚えるための余力が残ってないだけ。
脳は一度に処理できる情報に限りがあります。なので、音の聞き取りに割く力を最小限にする(=自動化する)ことで、自然と記憶にも残りやすくなります。
聞いた音を瞬時にコピーして発音する練習なので、ディクテーションよりも負荷は高いですが、その分「自動化」が効率よく行えます。
シャドーイングは音声変化の自動化が目的なので、最初は意味を考えずに音を真似するだけでOK。ネイティブと同じように発音できれば、どんな英文でも必ず聞き取れるようになります。
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下の記事では、ぼくが発音をマスターするために実践してきた勉強法を全てシェアします。
とてもよい内容で、役立ちました。
ありがとうございました。
おお、コメント嬉しいです!ありがとうございます!!