5つの音声変化を知れば、英語が驚くほど聞けるようになる【リスニングが苦手な人へ】

英語学習者

ぼく毎日リスニングの練習してるのに、なかなか英語が聞き取れるようにならないんだよね。

いくら勉強してもリスニングが上達しない…僕もそうでした。でも実は原因はシンプルで、英語特有の「音の変化」を知らないだけ。

ネイティブは会話の中で「音の変化」を多用するため、僕ら日本人には聞き慣れない音が頻発します。それが英語を聞き取れなくする原因。

音声変化のパターンを理解してから練習すれば、短期間で驚くほど聞けるようになるよ。しかもスピーキングにも役立つし。

谷村

英語学習者

なるほど!じゃあ僕は知識が足りないだけなのか…やる気出てきた。もっと早く教えてよ!笑
こんな方に読んでほしい記事
▶︎リスニングで伸び悩んでいる。
▶︎英語の「音声変化」をマスターしたい。
▶︎短期間で発音を良くしたい。
記事読んだ後はブックマークしておいてね。英語が聞き取れなかった時に再度開いて、どの音声変化が課題か確認してみて。

谷村

1. 英語の音声変化5つのルール

ルール①「連結」

まず1つ目は「連結」これはシンプルに、2つの音がつなげて発音されることです。

具体的には単語の末尾の子音と、次の単語の先頭の母音が連結して1つの音になるということ。

つまり子音と母音をつなげて、一気に発音するだけ。具体例を見れば一発で理解できるよ。

谷村

「連結」の具体例

  • un American →「アナメリカン」
  • on a couch →「オナカウチ」
  • Look up. →「ルッカッ」
  • sing along →「シンガロン」
  • Let’s dig in. →「レッツディギン」

英語学習者

これは感覚で理解できる!子音→母音と続くなら、つなげた方が絶対言いやすくなるもんね。
その通り!そもそも音声変化って、ネイティブが発音時にラクしたいから起きてるだけ。難しく考える必要は一切ないよ。

谷村

ただし一点注意なのが、音声変化が起きるかどうかは、スペルではなく音声で決まること。

たとえば “make” の場合。スペルで見ると母音で終わっていますが、発音は [meɪk]。語末の音は [k] なので、紛れもなく子音です。

「連結」の具体例②

  • make up →「メイカッ」
  • come on →「カモン」
  • hide away →「ハイダウェイ」
  • give it to me →「ギヴィトゥミー」
  • take it easy →「テイキリージー」
つまり音声変化が起こるかどうかは、見た目ではなく実際に発音される音で決まるってこと。

谷村

英語学習者

なるほど。音声変化は「喋るときにラクしたいから起きてる」って考えると、スペルじゃなく音声で決まるのは当然だよね。

ルール②「同化」

2つ目のルールは「同化」これは2つの単語がつながることで、全く別の音で発音されること。

この音声変化が起きる条件は、主に “want to” と “going to“、”of course“、もしくは後に続く単語が “you” のとき。この4パターンだけです。

この音声変化が1番カンタンだよ。英語勉強してる人なら既に知ってるものばかりだからね。

谷村

「同化」の具体例

  • want to →「ワナ」
  • going to →「ゴナ」
  • Of course →「オフコース」
  • Would you~? →「ウッジュー」
  • get your car →「ゲッチュアカー」
  • place your order →「プレイシュアオーダー」

英語学習者

なるほど。”would you” が「ウッジュー」になったり、”want to” が「ワナ」になるのは聞き慣れてるから楽勝かも。
その通りだね。そもそも「同化」は「連結」の派生系。上記のような特定の単語でしか起きないし、すでに馴染みのあるものばかりだから大丈夫だと思う。

谷村

英語学習者

カンタンで安心したよ。じゃあ英語の「音声変化ルール」は、実質4つだけってことだね!笑

ルール③「脱落」

音声変化ルール3つ目は「脱落」これは、特定の子音をあえて発音しないことです。

具体的には、語末の子音と次の単語の子音、この2つが全く同じ音、もしくは似ている音の場合、前の子音が発音されなくなります。

言葉で説明すると若干ややこしいけど、具体例を見ればすぐに理解できると思うよ。

谷村

「脱落」の具体例

  • get tired →「ゲッタイアド」
  • some more →「サモア」
  • good day→「グッデイ」
  • sit down →「シッダウン」
  • Just do it. →「ジャスドゥーイッ」
  • Who said that? →「フーセッザッ」

英語学習者

なるほど。”t” が2つ重なったら前の方が発音されないのは知ってたけど、”t” と “d”、”th”みたいに、似てる子音が続くときも発音されなくなるんだね。
その通り。”t”、”d”、”th”の3つは発音時の舌の位置がほぼ同じだよね。だから発音を省エネ化するため「脱落」が起きるんだ。

谷村

また、[p][t][k]などの破裂音と呼ばれる子音は、文や句の最後にくると発音されません

もちろんこれも、ラクに喋りたいから起きてるだけだよ。

谷村

「脱落」の具体例②

  • on foot 「オンフッ」
  • make up 「メイカッ」
  • take it 「テイキッ」
  • Look! → 「ルッ」
  • This is it. →「ディスイズイッ」
  • That’s right. →「ザッツライッ」

英語学習者

これ僕も出来るよ!英会話始めて1番最初に、自分で発音できるようになった音声変化かも。

ただし1点注意なのが「脱落」が起こると完全に音がゼロになるわけではないんだ。音のかわりに「余白(=ポーズ)」が残ることは忘れないで。

谷村

例えばThis is it.だと「ディスイズイ」ではなく「ディスイズイッ」のように、”t” があった形跡。つまり1拍分のポーズが残ります。

カタカナで表記するなら小さな「ッ」です。きちんとポーズを入れないと伝わらないことが多いので、余白を意識して発音しましょう。

英語学習者

なるほど。音を脱落させたら、代わりにポーズを入れれば良いんだね。わかりやすい!

ルール④「ら行化」

音声変化の4つ目は「ら行化」これは名前の通り、”t” と “d” が日本語の「ら行」になること。

具体的には [t] [d] が母音に挟まれた時に起こります。アメリカ英語で頻発する音声変化で、日本語の「ラリルレロ」で発音してOKです。

英語学習者

これ知ってる!アメリカ英語がカッコよく聞こえる要因だね笑

「はじき音化」の具体例

  • water →「ウォーラー」
  • letter →「レラー」
  • let it be →「レリビー」
  • What about it? →「ワラバウリッ」
  • take it easy →「テイキリージー」
  • not at all →「ナラロー」

英語学習者

「ナラロー」って “not at all” だったのか…そりゃ知らなきゃ聞き取れないはずだ。
そう。練習量が足りないんじゃなくて、単純に知識として知らなかっただけ。音声変化のルールを押さえた上で練習すれば、ビックリするほど聞けるようになるから安心してほしいな。

谷村

ルール⑤「弱形」

最後に5つ目は「弱形」音声変化の王様といって良いほど、英語では頻繁に出てくるよ。

谷村

そもそも冠詞や代名詞、前置詞、助動詞など、文の中で脇役となる品詞は「機能語」と呼ばれ、それ単体では強い意味を持ちません。

そのため機能語は、母音が弱く発音されます。この音を「弱形」または「あいまい母音」と呼び、小さな「ゥ」に近い音で発音します。

「弱形」の具体例

  • of →「ゥブ」
  • for →「フゥ」
  • will →「ウゥ」
  • can →「クン」
  • the →「ドゥ」
  • and →「ン」
  • was →「ゥズ」

英語学習者

へえ!ぼく今まで機能語も全部「アイウエオ」って強い音で発音しちゃってたよ。そりゃリスニングも苦戦するはずだよね。

もちろん機能語も、特別に意味を強調したいときは、弱形ではなく普通に発音されます。

つまりあえて強調したいとき以外は全て「弱形」になるんだ。

谷村

内容語が「弱形」にならないとき例

  • I did it for him.
    →「彼のためにやってあげたんだ」

 

  • That’s the only PC I had.
    →「それ僕の唯一のPCだったんだ」

 

  • Yes I can.
    →「もちろんできるよ!」

英語学習者

なるほどなあ。確かによく考えたら “the” が「ザ」と発音されることって滅多にないもんね。あえて強調したい時だけ「ザ」と読むのか…覚えとかなきゃ。
「弱形」は音声変化の中で1番登場頻度が高いんだ。1文の中に複数出てくる時もあるし。このあと紹介する練習方法で、とことんインプットしてってね。

谷村

2. 音声変化を1冊でマスターできる参考書

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音声変化の「知識」に関しては、当記事だけで十分身につきますが、その知識を効率よく定着させるための参考書が『ハイディの法則』

そもそも音声変化に対し苦手意識を持っている方が多いですが、ぼくら日本人には「カタカナ」という最強の武器があります。

英語学習者

言われてみればたしかに…この記事でも具体的な発音をカタカナで解説してくれてたから、めっちゃ分かりやすかったもん。
ハイディでは、カタカナ読みを活用してネイティブ発音(=音声変化)を習得するためのコツが、77個紹介されているんだ。いわば当記事の超強化版だね。

谷村

『ハイディの法則』の音声変化チラ見せ

  • would have →「ウルヴ」
  • ought to →「アラ」
  • get it on →「ゲリロン」
  • take it in →「テイキリン」
  • have to →「ハフタ」
  • see →「スィー」
  • take it easy →「テイキリージー」
  • not at all →「ナラロー」
ぼく “take it easy”「テイキリージー」や “not at all”「ナラロー」を我が物顔で紹介してたけど、実はこの本で解説されてた発音方法なんだ笑。

谷村

英語学習者

なるほどなあ。カタカナ読みするだけでネイティブ発音に近づけるのか!まさに僕ら日本人のために作られた発音の本だね。
その通り。ぼくはハイディ1冊で見違えるほど発音が上達したから、本気でオススメ。日本人英語から脱却したい人はぜひ読んでみてほしいな。

谷村

英語学習者

谷村くんにしては珍しい…めっちゃ推すじゃん!笑。でもこれ、リスニングよりスピーキングで役立ちそうな内容じゃない?
両方だね。自分で発音できる英語=聞き取れる英語だから、リスニング力を根本から上げるには、音声変化を自分で発音できるよう練習するのが鉄則だよ。

谷村

英語学習者

なるほどなあ。発音もリスニングも鍛えられるなら一石二鳥だね。ぼくも買ってみようかな。

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3. 音声変化を習得する最も効率的な勉強法

当記事で音声変化の「知識」を身に付け、『ハイディの法則』で知識を「定着」させたら、あとはアウトプットを重ねて自動化しましょう。

音声変化を「自動化」することで、どんな英文を聞いても100%理解でき、自分で発音するときにも無意識で使いこなせるようになります。

「自動化」まで達すれば、もう怖いものなしだよ。単語や文法はサボったら忘れるけど、音声変化は一生忘れないからね。

谷村

英語学習者

なるほどなあ。せっかく勉強しても「知識として知ってる」だけだともったいないもんね。どんな勉強法がおすすめなの?

初級の方はディクテーション、中級以上の方はシャドーイングがおすすめ。この2つだけだから、それぞれ順に解説するね。

谷村

初心者向け:ディクテーション

まず目安として、TOEICで700点以上取れてない方は、ディクテーションから始めましょう。

谷村

ディクテーションは、聞いた英文をそのまま書き取るシンプルな勉強法ですが、音を細部まで正確に聞き取れるようになるため、リスニング初心者のうちは欠かせない勉強法です。

そもそも英語が聞き取れない原因は「スピードが速い」からではなく、「細かい音が聞き取れない」から。つまり音声変化を知らないだけ。

ディクテーションをすることで、どこが聞き取れて、どこが聞き取れないかが明確になります。つまり弱点把握が容易にできます。

そしてリスニング初心者のうちは大抵「聞き取れない箇所」=「音声変化が起きている箇所」です。音声変化を重点的に練習することで、聞き取れない音を1つずつ潰していきましょう。

「聞き取れない箇所」を見つけたら再度この記事に戻ってきて、5つのうちどの音声変化が起きているのか確認してほしい。

谷村

英語学習者

なるほど。「弱点把握」→ 記事を読んで「音声変化を改善」の流れで練習していくわけだね。
その通り。このやり方なら間違いなく短期間でリスニングが上達するよ。ディクテーションのやり方やおすすめ教材については、この記事を参考にしてね。

谷村

ディクテーションで英語力を底上げ!効果・正しいやり方をわかりやすく解説

中上級者向け:シャドーイング

TOEICで700点以上取れるような英語中上級者の方には、シャドーイングが1番効果的だよ。

谷村

中上級者のリスニング課題は、大枠では聞き取れるけど細部を聞き逃してしまう。また、聞き取れても忘れてしまうことです。

よくリスニングが苦手な人で「記憶力が悪いから聞いても忘れる」という人がいます。断言しますが、それは記憶力の問題ではありません

忘れてしまう原因はシンプル。音声を自動化できてないため、音の聞き取りに神経を使いすぎて、覚えるための余力が残ってないだけ。

脳は一度に処理できる情報に限りがあります。なので、音の聞き取りに割く力を最小限にする(=自動化する)ことで、自然と記憶にも残りやすくなります。

日本語でも相手の話を聞いたそばから忘れちゃう?日本語なら忘れないよね。だとしたら記憶力は問題じゃないよ。音声変化を自動化すれば、日本語と同じように覚えれるから安心して。

谷村

英語学習者

なるほど!確かに日本語では全然忘れないや…音声変化をマスターすれば、英語でも記憶にも残るのか。目から鱗すぎるね…

そして中上級者が音声変化を自動化するために、最も適した勉強法がシャドーイングなんだ。

谷村

聞いた音を瞬時にコピーして発音する練習なので、ディクテーションよりも負荷は高いですが、その分「自動化」が効率よく行えます。

シャドーイングは音声変化の自動化が目的なので、最初は意味を考えずに音を真似するだけでOK。ネイティブと同じように発音できれば、どんな英文でも必ず聞き取れるようになります。

ぼくはシャドーイングに力を入れ始めてから、TOEICで安定して900点以上取れるようになったんだ。忙しい人が1つだけ勉強法を選ぶなら、間違いなくシャドーイングがおすすめ。

谷村

英語学習者

なるほど。僕はまだディクテーションから練習した方が良さそうだけど、シャドーイングも早くやりたくなってきたなあ。
シャドーイングの具体的なやり方と、おすすめ教材に関しては、下の2記事を参考にしてね。

谷村

参考記事① リスニングを短期間で伸ばす勉強法

音声変化を理解して、自分で発音できるようになったらリスニングでは怖いもの無し。あとは量をこなすだけです。

下の記事では、ぼくがリスニング初心者の頃から、TOEICリスニングで満点を取るまでの間。3年間で実践した勉強法の中で、最も効果のあったものを5つ紹介しています。

時間のない中でムダなく勉強したい人は、リスニング上達の指針としてぜひ読んでみて。

谷村

英語学習者

初級から上級レベルまで、1記事で網羅できるのはありがたい!とりあえずブクマしとくね。
【英語】独学でリスニング上達|おすすめ勉強法を5ステップで解説!

参考記事② 英語の発音をマスターする7つの方法

発音の習得を諦めている方が多いですが、正しいやり方で練習すれば、誰でもネイティブ並みにキレイな発音を身につけることは可能。

下の記事では、ぼくが発音をマスターするために実践してきた勉強法を全てシェアします。

1万2,000字と有料note並みの情報量ですが、ブログ記事なのでもちろん無料で公開してます。

谷村

ぼくが英語の発音をマスターするため実践した7つのこと【発音練習のコツ】

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