英語学習者
リスニング上達のためには、正しい勉強法を、正しいステップで踏んでいく必要があります。
当記事では、TOEICリスニング満点を取得し、海外ドラマを英語で見るぼくが、3年間で実践してきたリスニング勉強法を全てシェアします。
▶︎TOEICで800点以上を取りたい。
▶︎英会話をもっとスムーズに進めたい。
目次
リスニング上達には逆効果!やってはいけない3つの勉強法
❷「精聴」1語1語をじっくり聴く。
❸「多聴」たくさんの英語に触れる。
最初に、最低限の英単語・フレーズを暗記しましょう。初級レベルの表現を知っておかないと、英語を「聞き取る」練習になりません。
その次に「精聴」に進みます。同じ音声をくり返し聴き、自信を持って聞き取れる単語・フレーズを徐々に増やしていきましょう。
やってはいけないリスニング勉強法
- 英語をひたすら聞き流す。
- 難易度の高い教材を使う。
- 再生速度を速めて聞く。
リスニング初心者に必要なのは、英語の音に慣れること。音の繋がりや、発音・イントネーションの強弱を、頭で理解することです。
なのでまずは難易度が易しく、スピードが速すぎない英語を選び、1語1語をじっくり聞き取る精聴トレーニングに徹しましょう。
ステップ① ディクテーションする
リスニング最初の関門である「精聴」をこなす上で、1番効果的な勉強法がディクテーションです。
実はぼくは元々リスニングが大の苦手で、大学に入るまで、英語がまともに聞き取れませんでした。
そこで大学に入り、TOEICでリスニング満点を取れるほどレベルアップできたのは、1番最初にディクテーションに力を入れたおかげ。
「弱点把握」がリスニング上達のスタート地点
ディクテーションをやる目的は「どの音が聞き取れて、どの音が聞き取れないか」を明確にすること。
やり方はシンプルで、音声と紙を用意し、流れてきた英文を、聞こえたとおりに書き写していくだけ。
ただし、音の「つながり」や「脱落」など、英語特有の「音」を知らないうちは、聞き取れない箇所(空欄)だらけになります。
ぼくの経験上、10回聞いてもわからなければ、何回聞いてもわからない英文です。10回を目安に答え合わせに移りましょう。
❷音声を流し、聞こえた通りにメモする。
❸正しく聞こえるまで①→②を繰り返す。
ディクテーションは1日20~30分でも十分効果があるので、出来るだけ毎日続けて下さい。
続ければ続けた分だけ、目に見える形で結果が出るのがディクテーションの良いところです。
ディクテーションのおすすめ教材2選
おすすめ教材① リスニングプラザ
このサイトには、音声・回答用紙・解説がすべて揃っていて、扱われている英文も1分前後と、ディクテーションに理想的な長さ。
全60問が、初級・中級・上級に分かれていて、英文の長さ・複雑さ・スピードが、徐々にレベルアップしていく構成です。
また、穴埋め式の回答用紙も無料でダウンロードできるので、プリントアウトして使いましょう。
原始的なやり方ですが、回答用紙を印刷し、ペンを使って書き込んでいくのがおすすめ。
PC・スマホに書き込む方が速く、コストがかからないのは事実ですが、自動でスペルチェックされるためディクテーションには不向きです。
おすすめ教材②『究極の英語ディクテーション』
リスニングを短期間で上達させるコツは、音の変化や脱落を最初に学んでしまうこと。
こういった「英語特有の音」は通常、時間をかけて徐々に習得していくものですが、参考書でサラッとインプットしておくと後がラクです。
英文のレベルは、日常会話で使われるような基本単語・フレーズがメインなので、無料サイト「リスニングプラザ」よりも難易度は低め。
ただし読めば簡単でも、聞き取って書き写すとなると手強い英文も扱われているため、リスニング中級者にも挑戦してほしい参考書です。
ステップ② 音読する
ディクテーションをこなして1語1語をしっかりと聴き分けられるようになったら、次は音読にチャレンジしましょう。
音読でリスニングが上達する理由
❷発音できるスピードが上がる。
音読がリスニングに効果的な理由は、英語を「英語の語順のまま」、つまり「頭から順に」聞き取れるようになるからです。
しかし音読を続けていけば自然と、英語を頭から聴く癖がつくため、スピードの速い英文も1度で聞き取れるようになります。
さらに、リスニングを上達させるためには、音読で英語を口に慣らし、スピーキング力も上げておくのがコツ。
というのも英語は、口から出せるスピードが速くなれば、それに応じて聞き取れる英文のスピードも上がっていきます。
実際ぼくも、英会話で言葉がスラスラ出てくるようになってからは、相手の発言を聞き返すことが皆無になりました。
音読のおすすめ勉強法3ステップ
当然のことですが、音読はなんとなくやるよりも、正しいステップで取り組む方が効果的。
❷テキスト見ながら音声を3~5回聴く。
❸“Read and Look up” を実践する。
❶ 英文を2~3回黙読する
まずは音声を使わずに、英文を黙読しましょう。目安は2~3回です。
自分のペースでじっくり読めるのはこのステップだけ。英文の内容を、最低でも80%以上理解できるよう読み込んで下さい。
❷ テキスト見ながら音声を3~5回聴く
次は音声を聴きながら、英文を口に出していきましょう。目安は3~5回です。
このステップでは、英語特有の発音・イントネーションを理解すること、新しい単語・フレーズを口に慣らし覚えていくことを忘れずに。
❸ “Read and Look up” を実践する
“Look up” は「顔を上げる」という意味で、“Read and Look up” は「読んで顔を上げ暗唱する」音読勉強法のこと。
やり方はシンプルで、1文をサラッと黙読したら、テキストから目を離し暗唱する。これを繰り返すだけです。
暗唱は、英文の構造をしっかり理解してないと出来ないため、難易度の高い勉強法ですが、その分、英文の理解度も段違いに上がります。
1度英文を覚えてしまえば、同じ単語・フレーズは次から100%聞き取れるようになります。
また暗唱することにより、英語の語順や、音の特徴を隅々まで理解できるため、リスニングの上達が加速します。
おすすめ教材『音読で攻略TOEIC 』
全80の例文を音読することでTOEICのリスニング・リーディングを同時に対策できる参考書。
TOEICで頻繁に登場する英文を扱っていますが、例文は比較的やさしく、現状のTOEICスコア450〜700点の初・中級者の方が対象です。
ステップ③ シャドーイングする
効果は音読と同じですが、「聞く」と「喋る」を同時に行うため、音読よりもさらに効率よくリスニングを鍛えられる勉強法です。
シャドーイングはいわば音読の強化版。もちろん難易度が上がるので、リスニング初心者の方は、音読に慣れてから挑戦して下さい。
シャドーイングの正しいやり方4ステップ
❷テキストを見ながら音声を聞き込む
❸テキストを見ながらシャドーイング
❹テキストを見ずにシャドーイング
❶ 音声なしでテキストを読む
まず最初は音読のときと同じく、音声を流さずに黙読でテキストを読み込みましょう。
リスニングを上達させるためには、しっかり理解している英文をシャドーイングする方が効果的なので、最低3回は読んで下さい。
❷ テキストを見ながら音声を聞き込む
英文を読み込んで内容を十分理解したら、今度はテキストを見ながら音声を聞きましょう。
声を出してシャドーイングする前に、一度リスニングに集中するのがおすすめのやり方。
音だけをじっくり聞いて、正しい発音やイントネーションを頭で理解するためです。
❸ テキストを見ながらシャドーイング
実際に声を出すときは、発音やイントネーションではなく、文の構成、単語・フレーズの意味を理解することに、注意を傾けましょう。
ぼくの経験上、発音・イントネーションを気にしすぎると、英文の意味を考えずシャドーイングし続けることになり、時間を無駄にします。
❹ テキストを見ずにシャドーイング
10回ほどテキストを見ながらシャドーイングしたら、最後はテキストを見ないシャドーイングに挑戦しましょう。
この段階まで来れば、完全に音声のみでシャドーイングできるので、声の出せる場所ならどこでも実践できるようになります。
家事やお風呂の間など、ちょっとしたスキマ時間を使って「ながら勉強」できるという、シャドーイングの強みを存分に活かしましょう。
シャドーイングのおすすめ教材2選
シャドーイング教材①『音読パッケージ』
1冊目は『音読パッケージ』です。音読練習を目的に作られた数少ない参考書ですが、ぼくはシャドーイングの教材として使ってました。
本書の英文は、中学レベルの簡単な単語・フレーズで構成されているため、音読・シャドーイングの入門書のような立ち位置。
前述の通りスピーキング力が上がれば、自然とリスニングも上達していくため「話す」「聞く」を重点的に鍛えたい人におすすめの1冊。
シャドーイング教材②『速読英単語』
2冊目は『速単』です。単語帳として1,2位を争うほどポピュラーな参考書ですが、シャドーイングの教材としても大いに役立ちます。
英語長文をシャドーイングしつつ、英単語も同時にインプットしたい人は『速単』を選びましょう。
❷「精聴」1語1語をじっくり聴く。
❸「多聴」たくさんの英語に触れる。
まず長文の数が全部で70あるので、これ1冊あればシャドーイングは数ヶ月練習でき、コスパはかなり高め。
またそれぞれの長文は音声が1~2分なので、シャドーイングや音読をするのにちょうど良い長さです。
ステップ④ 海外ドラマを聞き流す
ここまで来れば、リスニング力は中上級レベル。すでにTOEIC/Lで350点以上取れる実力が付いているはずです。
あとは海外ドラマを多聴することで、英語のリズム・語順に慣れ、単語・フレーズをさらにインプットしていきましょう。
ぼく自身、大学卒業してから2年間、ドラマの聞き流し以外のリスニング学習はしていませんが、TOEIC900点以上を維持し続けています。
ポイントは「すでに見た作品」を聞き流すこと
ドラマを選ぶときは「すでに何度か(最低でも1度)見た作品」であることが必須条件。
なぜなら、内容を知らない初見の作品を聞き流したところで、知らない単語やフレーズばかりで、英語が全く頭に入ってこないからです。
2周目:英語字幕を見ながら聞き取る。
3周目以降:聞き流しで多聴する。
また声の出せる状況なら、聞き流しつつシャドーイングも同時にこなせるとより効果的です。
聞き流しとシャドーイングは非常に相性の良い勉強法。英語を聞きながら、ほぼ無意識のレベルでOKなので、フレーズを真似して口に出してみましょう。
英語学習には「シットコム」が1番おすすめ
シットコムとは、舞台や登場人物が常に固定されていて、基本1話完結でストーリーが進んでいくコメディドラマのこと。
シットコムで英語学習するメリット
- 英語がカンタン。
- ストーリーが日常会話中心。
- 1話20分で気軽に見れる。
シットコムは英語の難易度が比較的やさしく、TOEIC600~700点レベルのリスニング初・中級者でも、無理なく英語で見れます。
また、登場人物が1話まるまる喋っているため、英語学習に不要なシーンは一切ありません。
ステップ⑤ TOEICでリスニング力をチェック
TOEICならリスニング力が、客観的な「数字」で測れるので、金銭的に余裕のない方以外は、出来る限り受けて下さい。
英検だと、英文の流れるスピードが遅い上、2度読まれるためリスニングが簡単すぎます。
一方でTOEFLやIELTSだと、1回の受験費用が25,000円(TOEIC5回分!!)なので、気軽には受けられません。
TOEIC受験は、定期的な実力チェックだけでなく、リスニング練習のモチベーションを維持する効果もあるので。
数週間もかかるような対策は必要ありません。本番が近づいたら模試を1,2回受け、時間配分を把握しておくだけでOK。
毎回律儀に対策していると、TOEICを受けるのが億劫になりますし、そもそもテクニックで解いてしまうと実力チェックになりません。
でも安心して下さい。当記事で解説した順に勉強していれば、対策せずとも800点以上は取れるので。
❷600点台 →音読
❸700点台 →シャドーイング
❹800点台 →海外ドラマの聞き流し
コメントを残す