英語学習者
当記事では、第2言語として英語を話すときに、私たちの頭の中で何が起きているのかを、3ステップで解説していきます。
3ステップの中でどれが1番苦手かを把握することで、英会話の練習をする際に「何を重点的に対策すれば良いか」が分かります。
▶︎自分の弱点を把握したい。
▶︎英語を喋る時の頭の中を見てみたい。
1. 英語を喋るとき頭の中で起こる3ステップ
ステップ②「文章化」
ステップ③「音声化」
日本人の中にも、英語をまるで母国語のようにスラスラ話せる人がいますよね?そういう方は長年のトレーニングによって、上記の3ステップ全てを一瞬でこなせるようになっています。
逆にスピーキングを苦手とする人は、上記ステップの中で、どれか1,2つが抜け落ちています。
ステップ① 概念化
日本語でも、言葉を発する前には必ず「何を言うか」を考えますよね。英語でも全く同じことをやるだけなので、ここは難しくありません。
「文章化」も「音声化」も得意なのに、喋りたいことがないから英会話が苦手という人は稀。ほとんどの方の課題はステップ②か③です。
ステップ② 文章化
文章化:最初は日本語経由でOK
今日お話している3ステップの中でも、ダントツで1番苦手な方の多い「文章化」ですが、その理由は、英語と日本語では文法が全く違うから。
英会話を始めたばかりの人が、浮かんだ考えを直で英語にするのは難しいので、最初は「概念→日本語→英語」の順で文章を作りましょう。
昨日会った女性がぼくの叔母だって知ってた?
Did you know (that) the woman we saw yesterday was my aunt?
「文章化」のトレーニングをしっかり行うまでは、一見簡単に見える日本語ですら、英語にするのに時間がかかるもの。
とくに初心者の間は、上記のように時制がややこしかったり、関係詞を用いる文章を作るのに30秒近くかかってしまうのも無理ありません。
文章化の理想は「概念」→「英語」
もちろん理想は「概念」→「日本語」→「英語」の順でなく、日本語を経由せずに、頭の中のイメージを一発で英語にすることですよね。
日本語を経由せず一発で英語にするコツは、「日本語→英語」の速度を上げること。ハナから日本語を捨てるのではなく、日本語の経由にかかる時間を減らしていくのがポイント。
つまり日本語は使いながら、日本語→英語に翻訳するスピードを徐々に上げていく。逆説的に聞こえるかもですが、これが1番の近道です。
『瞬間英作文』は、簡単な日本語を瞬時に英語にする、というシンプルなトレーニングをひたすら積み続ける、一風変わった参考書です。
しかしこのシンプルな練習を続けることで、英語を “考えることなく” スラスラ口に出せるようになるため、文章化の練習にこの上なく最適。
『瞬間英作文』で出題される英文
- 学生の頃は週3で飲みに行っていた。
- 昨日、親友の弟にゲームを借りた。
- 先生に怒られたことはある?
「中学レベルの簡単な英語を瞬時に作れるか」つまり僕ら日本人が、英語スピーキングを上達させるための最重要ポイントは、瞬発力です。
そしてハッキリ断言できますが、ぼくの経験上「瞬発力」のトレーニングにおいて『瞬間英作文』ほどコスパの良い練習方法はありません。
ステップ③ 音声化
3番目のステップは「音声化(=発音)」とくに学習初期では軽視されがちですが、英語をスムーズに話すために音声化の練習は必須です。
たとえ喋る内容が決まり、しっかりと英文を組み立てても、それを口に出すための発音がおぼつかないと、言葉はスラスラ出てきません。
What are you doing?
英語での自然な発音は「ワルユドゥーイン」ですが、日本語の感覚のまま発音すると「ワットアーユードゥーイング」になります。
英語は「音の変化」が頻繁に起こる言語。それに慣れていないと、毎回口にストレスのかかる発音になり、言葉を発するのが遅くなります。
喋る内容も英文の構成もガッチリ決まっているのに、発音のせいで言葉に詰まるのは本当にもどかしいですし、もったいないので、発音は学習初期の段階から練習しておきましょう。
また留学せずともコツさえ掴めば、独学で自然なネイティブ発音に近づけることは可能です。
下の記事で、ぼくが発音を上達させるために実践した7つの勉強法を全て紹介しているので、ぜひ発音のトレーニングに役立てて下さい。
2.「文章化」と「音声化」は自動化できる
「概念化(=喋る内容)」に関しては、培った人生経験や、個人の考え方が色濃く反映されるため、一朝一夕で身につくものではありません。
しかし「文章化」と「音声化」に関しては、練習すれば無意識レベルでこなせるようになります。そしてその方法も当記事で紹介済みです。
3.「概念化」に労力を使える状態を目指す
そのため自動化できる「文章化」「音声化」は早めに自動化してしまって、本当に頭を使わないといけない「概念化」にフォーカスすべき。
つまり当記事の結論として、英会話では「何を喋るか」が1番大切。なので「伝えるべき内容」を考えるために100%の労力を割けるよう、文章化と音声化は先に鍛えておきましょう。
当記事は、ぼくが以前留学していた語学学校 “Four Word” で教えて頂いた「第2言語習得論」に、ぼく自身の経験談を加えて執筆しました。
ぼくに「第2言語習得論」の考えを教授して下った、Four Word運営長ユミさんのTwitterアカウントを下記に添付しておきます。
【関連記事①】スピーキングが短期間で上達する人の6つの特徴
英会話が短期間で上達する人には、いくつか共通する特徴があります。そしてそれは、ほんの少しの心の持ちようや習慣の差だけ。
下の記事にて、ぼくが英会話講師をやっていて実感した「英語スピーキングが上達しやすい人の特徴」を6つ紹介していきます。
【関連記事②】英語をアウトプットする方法6選
学生の頃の僕はいつもお金がなかったので「コストを安く抑えて、英語をアウトプットする方法」については、かなり詳しくなりました。
そこで、当時のぼくと同じような状況の人のためになればと思い、無料または格安で英会話を実践する方法を、下の記事にまとめています。
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