英語学習者
ぼくは元々リスニングが大の苦手で、大学に入るまで英語がまともに聞き取れませんでした。
しかし大学入学後、TOEIC/Lで満点を取れるほどリスニング力がついたのは、英語学習の1番最初にディクテーションに力を入れたおかげ。
▶︎英会話をスムーズに進めたい。
▶︎TOEICで700点以上を取りたい。
目次
1. ディクテーションとは?
ディクテーションとは、英語を流しながら、聞き取れた通りに書き取っていく勉強法のこと。
英語の音を細部まで聴き分けられるようになるため、特にリスニング初心者に効果のある学習法です。
参考に、ぼくは大学1年の夏に初めてTOEICを受けましたが、勉強時間の約4~5割をディクテーションに費やしていました。
2. ディクテーションの3つの効果
❷「精聴」1語1語をじっくり聴く。
❸「多聴」たくさんの英語に触れる。
最低限の単語・フレーズを暗記したあと、「精聴」のステップに進みますが、ここで最も効果的な勉強法がディクテーションです。
❷推測力が鍛えられる。
❸弱点を正確に把握できる。
ディクテーションによって上記3つの効果が合わさることで、精聴力がつきリスニングが劇的に伸びるというわけ。1つずつ解説しますね。
効果① 音を細部まで聞き取れるようになる
前述の通り、ディクテーションは特に、リスニング初心者の方に効果のある勉強法です。
理由は、英語の音を「なんとなく」聞いている状態から「頭で理解して聴く」状態へ、ディクテーションで一気にレベルアップできるから。
というのも英語には、日本語に無い「音の連結」や「音の脱落」があり、リスニング初心者が “必ず” といって良いほどつまづく箇所です。
英語特有の「音の変化」
- 音の連結
・Get it on. 「ゲリロン」
・Take it easy.「テイキリージィ」
・As soon as「アズスーナズ」
・What do you do?「ワルユドゥ」
- 音の脱落
・This is for you.「ディスイズフユ」
・Eat and drink.「イーンドリンク」
・I’m at school.「アイマッスクー」
英語特有の音には、もちろん「慣れ」も必要。ただし数打って慣れるのは、土台となる知識をつけた後のほうがベターです。
まずはディクテーションで徹底的に「精聴」に努め、音の変化を頭で理解しておいてから、最後に多聴することで脳に刷り込みましょう。
効果② 推測力が鍛えられる
ディクテーションは「聞き取って書き写す」というシンプルな勉強法ですが、最初から全てを正確に書き取るのは至難の業。
なので当然わからない箇所は、前後の文脈や、知っている単語・フレーズを元に推測するしかありません。
前述のとおり、英語は音の「脱落」や「連結」が頻繁に起こるため、実はネイティブですら全てを聞き取れるわけではありません。
そこで重要になるのが推測力。つまり、8割を自力で聞き取り、残りの2割を推測する力です。
↓オーストラリア留学中のりゅうさんのツイート
僕の仲良い🇦🇺友はNetflixを見る時、
必ず英語字幕をつける。「なんで?」と聞くと彼は、
「別に全部が聞き取れるわけじゃないからね。字幕があった方がしっかり内容理解できるしそもそも楽。だからつけるね」と。
ネイティブでも聞き取れない所はある。
って考えるだけで気持ちが楽になるね。— りゅう🇦🇺ゼロから通訳 (@Ryu_Interpreter) August 27, 2019
効果③ 弱点を正確に把握できる
3つ目の効果として、ディクテーションを続けると自分の「弱点」が明確になります。
❷発音・イントネーションに慣れてない。
❸英文のスピードが速すぎる。
自分の弱点を把握したら、あとは重点的に対策し潰していくだけ。以下のイメージです。
リスニング苦手を克服するために
- 単語・文法の知識があいまい。
→単語帳・文法書を1冊こなす。
- 発音・イントネーションに慣れてない。
→シャドーイング・音読に注力。
- 英文のスピードが早すぎる。
→「遅めの英語」から聴き始め、徐々に「速い英語」にシフト。
というのも、言語習得には「臨界期」があります。これは言葉を自然に習得できる限界のことで、一般的に10~11歳まで。
つまり12歳を超えてしまうと、単語や文法、音の変化を正確を理解しない限り、リスニング力は上がりません。
ディクテーションをすると「書き取れなかった箇所」が明確になるため、自分の実力がリアルに出てしまいます。
最初は空欄だらけの回答を見てガッカリするかもしれませんが、そうして弱点を把握することこそが、リスニング上達のスタート地点です。
3. ディクテーションの正しいやり方4ステップ
❷穴埋め式の回答用紙に書き取る。
最初から白紙でやると、時間がかかりすぎるのでおすすめできません。まずは②で始めて、慣れたら徐々に①にシフトしていきましょう。
やり方① リスニングに徹する(×2回)
いきなり書き取りを始めるのではなく、最初はリスニングに集中しましょう。目安は2,3回。
1度手を動かし始めると、細部を聞き取ることだけに意識がいってしまい、文章全体の理解がおろそかになってしまいます。
なので、ディクテーションが「英語を書き写すだけの作業」になってしまうのを避けるため、まずはリスニングで内容把握に努めましょう。
やり方② 聞こえた通りに書き写していく(×10回)
最初の10回は音声を止めずに書き取るのがポイント。ナチュラルスピードで流れる英文を、どれだけ正確に書き写せるか試してみて下さい。
ディクテーションは難易度の高いトレーニング。自分のペースで書き写していると、音声だけがどんどん先に進んでしまいます。
もちろん、音の「つながり」や「脱落」など、英語特有の「音の変化」を知らないうちは、聞き取れない箇所(空欄)だらけになります。
まずは10回、実力チェックのつもりで聞いてみて、残った空欄は、次のステップで1文ずつ止めながら埋めていきましょう。
やり方③ 一文ずつ止めながら聴く(×5回)
次に1文ずつ止めながら、自分のペースで書き取っていきましょう。1文が長すぎる場合は、途中で区切っても大丈夫です。
それにぼくの経験上、20回聞いて分からない場合、そもそも知識不足が原因。それ以上は何度聞いてもわかりません。
「これ以上はもう出てこない!」と感じたら、20回を目安に、思い切って答え合わせに移りましょう。
「こんな簡単なフレーズも聞き取れなかったのか!」と絶望して下さい。その悔しさが強ければ強いほど、次回から間違えなくなります。
ここまでの3ステップでかかる時間は約30分。ディクテーションは1日20~30分でも十分効果があるので、できる限り毎日続けて下さい。
続ければ続けた分だけ、目に見える形で結果が出るのがディクテーションの良いところです。
やり方④ シャドーイングする(×5回)
まずは自分の回答用紙をみながら、前述した「リスニングが苦手な原因」のどれに当てはまっているか、チェックしてみて下さい。
❷発音・イントネーションに慣れてない。
❸英文のスピードが速すぎる。
答えあわせで自分の弱点を明確にしたら、苦手な箇所を重点的に意識しつつ、音声を流して声に出していきましょう。目安は5回です。
シャドーイングで脳に刷り込んでおけば、その英文に登場した単語・フレーズは。次からほぼ100%聞き取れるようになります。
❷聞こえた通りに書き写していく(×10回)
❸一文ずつ止めながら聴く(×5回)
❹シャドーイングする(×5回)
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4. ディクテーションのおすすめ教材【無料サイト+アプリ+参考書】
おすすめ教材① リスニングプラザ
このサイトには、音声・回答用紙・解説がすべて揃っていて、扱われている英文も1分前後と、ディクテーションに理想的な長さ。
全60問が、初級・中級・上級に分かれていて、英文の長さ・複雑さ・スピードが、徐々にレベルアップしていく構成です。
また「リスニングプラザ」では、穴埋め式の回答用紙が無料でダウンロードできるので、プリントアウトして使いましょう。
原始的なやり方ですが、回答用紙を印刷し、ペンや鉛筆で書き込んでいくのがおすすめ。
PC・スマホに打ち込む方が速く、また安価ですが、自動でスペルチェックされてしまうため、最初は手書きで書き込む方が練習になります。
おすすめ教材② ディクトレ
前述の「リスニングプラザ」と1,2位を争う定番ディクテーションサイト「英語リスニング無料学習館」 がアプリ化したのがディクトレです。
全450の英文を、全て無料でディクテーションできるコスパ最強のアプリで、扱われる英文はTOEIC Part2のような、短い会話がメイン。
問題の構成はどれも同じで、AさんとBさんの2人が1言ずつ喋り、両方のセリフをディクテーションする、という至ってシンプルなもの。
「~を控える」「~の癖がある」など、英会話で役立つフレーズが中心に出題されるため、特にスピーキングを鍛えたい方は要チェックです。
日本語訳はもちろん、文中にはどんな構文が使われているか、覚えておくべき表現はどれか。などかなり詳細に書かれています。
ただしデメリットは、スマホに文字を打ち込むため、スペルが自動で変換されてしまうこと。
おすすめ教材③ 究極の英語ディクテーション
リスニングを短期間で上達させるコツは、音の連結・脱落など、英語特有の「音の変化」を最初に学んでしまうこと。
こういった「英語特有の音」は通常、時間をかけて徐々に習得していくものですが、参考書でサラッとインプットしておくと後が楽です。
英文のレベルは、日常会話で使われるような基本単語・フレーズがメインなので、無料サイト「リスニングプラザ」よりも難易度は低め。
ただし書き写すとなると手強い英文が多めに扱われているため、全体の難易度はディクトレより高く、リスニング初〜中級者向けです。
❷究極のディクテーション(=参考書)
❸リスニングプラザ(無料サイト)
【関連記事①】聞き流しで効果を出す4つのコツ
❷「精聴」1語1語をじっくり聴く。
❸「多聴」たくさんの英語に触れる。
ディクテーションで「精聴」に努めたあとは、時間のある限り「多聴」して英語に慣れて下さい。
「聞き流しは効果ない」と思われがちですが、この記事で解説する4つのコツを取り入れれば、十分すぎるほど効果のある勉強法になります。
【関連記事②】リスニングの勉強法を5ステップで解説
ぼくがTOEIC/Lで満点を取得するまでに、3年間で行った全リスニング勉強法を1記事にまとめました。
余裕で1万字超えており、有料note並みの情報量ですが、もちろんブログ記事なので無料です。
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