英語学習者
英文法は、英語学習の基礎の基礎。
文法を土台にして英語の4技能が育つので、どのレベルの学習者にも取り組んでほしいです。
【こんな方に読んでほしい】
▶︎英語を学び直したい社会人・大学生
▶︎英語の偏差値を上げたい受験生
▶︎TOEICや英検を受けたい方
1. 文法は最初に極めておくべき【当記事の信頼性】
ぼくが英語の勉強を始めたとき、1番最初に手をつけたのは単語と文法。
当記事で挙げている参考書を使って、2ヶ月ほどかけて入念に勉強しました。
英語学習を進める順序は「①単語・文法」→「②精読」→「③多読」の順番。
❶「単語・文法」基礎をインプット。
❷「精読」読解の “質” を高める。
❸「多読」”量” をこなしアウトプット。
英単語:1時間
英文法:2時間
単語と文法が不十分なままリーディング練習を積むのは、片目つぶって読むのと同じです。
最初は時間をかけてでも、英語の基礎(単語・文法)を徹底的にインプットして下さい。
英語の力の土台になる「単語・文法」が未熟な状態では、英語が読めるようにはなりません。
単語帳と同時並行で、今日ご紹介する文法の参考書を進めていきましょう。
【関連記事①】リーディングの3ステップ
英語のリーディングを鍛えるため、最も効率的な学習フローを以下の記事で解説しています。
❶「単語・文法」基礎をインプット。
❷「精読」読解の “質” を高める。
❸「多読」”量” をこなしアウトプット。
これから英語の勉強を始める方、また英文法のあと何をすべきか知りたい方は参考にして下さい。
【関連記事②】おすすめ英単語10選
おすすめ英単語帳を下の記事にまとめています。
受験生向けがメインですが、基礎レベルの2,000語をマスターするために欠かせない単語帳ばかり。
2. 英文法おすすめ参考書【基礎レベル】
まずは受験生にも社会人にも読んでほしい、基礎レベルの参考書を4冊紹介します。
おすすめ参考書①『大岩のいちばんはじめの英文法』
英文法の入門書。解説はすべて話し言葉で、イラストも豊富に使われています。
24項までありますが、かなり読みやすいので参考書に慣れてない方でも3日で読み終わるかと。
『大岩英文法』の内容は受験生向けだけでなく、TOEICや英検、また英会話も想定して書かれています。
なので受験生はもちろん、これから英語を学び直したい大学生・社会人の方も一度読んでみて下さい。
おすすめ参考書②『中学3年間の英語を10時間で復習する本』
タイトル通り、中学3年間の英文法をサクッと復習できる参考書です。
「現在完了」から「関係詞」まで、中学で習う文法項目がすべて収録されています。
ページ数もレイアウトもかなりコンパクトにまとまってますが、これ1冊で中学3年間の英語を一気に復習できる良書。
タイトルは「10時間」ですが、集中してやれば5,6時間で終わります。つまり長くて2日ほど。
高校英語を理解するためには、中学レベルの知識が必須になります。
本気で偏差値を上げたい受験生は、まずこの本で基礎固めをしましょう。
また中学レベルの文法を完璧に理解しておけば、英会話で苦労することがなくなります。
ただ1点デメリットとして、正直読んでいて「面白い」と感じる内容ではありません。
お固い参考書が苦手な方は『大岩英文法』や、次の『英文法のトリセツ』を選びましょう。
おすすめ参考書③『英文法のトリセツ じっくり基礎編』
『大岩英文法』や『中学英語を10時間で復習』よりも、さらに初心者に優しい参考書。
英語偏差値40で高校中退した著者が「英語が苦手だった頃の自分」に向けて書いた本です。
「疑問文の答え方」や「時制のルール」「前置詞の使い方」など、一見簡単な文法ばかり。
つまり中学・高校で習う英文法のなかで、とくに重要で、かつ初心者が挫折しやすい箇所を重点的に解説しています。
❶品詞
❷否定文・疑問文
❸一般動詞
❹be動詞
❺時制
❻副詞
❼前置詞
❽助詞
❾疑問詞
➓SVOC
特徴的なのが、どの項目も「日本語と英語の違い」を比較しながら解説していること。
つまり、特にぼくら日本人にとって理解しやすいよう書かれています。
【基礎レベル:難易度まとめ】
『英文法のトリセツ』★☆☆☆☆
『大岩の英文法』★★☆☆☆
『中学英語を10時間』★★★☆☆
ちなみに『英文法のトリセツ』は「Kindle Unlimited」で読み放題の書籍です。
普通に買うと1,234円なので、月額980円で読み放題にして読むほうがお得ですね。
【参考書〈基礎編〉まとめ】
❶丁寧な解説で文法の基礎を固めたい。
→『大岩の英文法』
❷全文法をスピード重視で網羅したい。
→『中学3年間の英語を10時間で復習』
❸基礎的な文法をより深く理解したい。
→『英文法のトリセツ』
【関連記事③】英語多読にkindleが必須な5つの理由
英語リーディングを効率的に学びたい方にとって、Kindleは欠かせないツール。
スマホにアプリを入れておくだけで、24時間どこでも英語学習ができますよ。
3. 英文法おすすめ参考書【受験生向け】
受験生は以下の4冊を順番どおりにこなせば、どの大学を受けても文法は無双できます。
❶中学3年間の英語を10時間で復習する本
❷高校3年間の英語を10日間で復習する本
❸Vintage
❹ファイナル問題集
ぼく自身が、英語の偏差値を80まで上げるために実践した文法の勉強法です。
他の参考書も試しましたが、最短で偏差値を上げるためにはこの4冊で十分でした。
おすすめ参考書④『高校3年間の英語を10日間で復習する本』
高校3年間の英文法を、1冊で手っ取り早く学べる参考書です。
構成やレイアウトは『中学3年間を10時間で』と同じですが、難易度がかなり上がります。
・準動詞
・分詞
・仮定法
・比較級, 最上級
・無生物主語
・疑問詞
一見難しそうにみえますが、中学レベルの文法知識があれば簡単に理解できるものばかり。
なので『中学英語を10時間で復習』か『大岩の英文法』をこなしたあとに読み始めて下さい。
とくに「学校の授業をあまり熱心に聞いてなかった」という方に、おすすめしたい参考書。
『中学編』と同じくページ数はたったの250と、かなりコンパクトにまとまってます。
にもかかわらず、高校で習う英文法がすべて網羅されているので、この参考書を終えたら即実践問題に進めますよ。
おすすめ参考書⑤『Vintage』
文法問題が1,500問収録されている問題集。これをやらないとどの大学も受かりません。
同じタイプの問題集では『アップグレード』や『ネクステージ』などが有名ですよね。
❶解説が詳しい
❷YouTubeで解説動画が見れる
❸到達レベルが高い
ヴィンテージは王道3冊の中で1番解説が豊富。解説ページのボリュームが圧倒的に多いです。
また、各項目の解説動画がYouTubeにアップされています。
そもそも解説が丁寧なのに、動画でさらに詳しく解説している、過度なまでの親切設計(笑)
なので、たとえ文法初心者の方でも、ヴィンテージで挫折することはありません。
また細かい知識が必要な問題も多く出題されるため、最終的な到達度は1番高いです。
1冊で難関大までカバーできるので、MARCHや早慶レベルを検討している方はヴィンテージを選びましょう。
文法問題集を勉強する際のコツとして、何周もして徐々にインプットを重ねていきましょう。
どれだけ頭がよくても、約1500問の分量をたった1,2周で覚えられる人なんていないので。
【文法問題集の進め方】
1周目→300/1,500問クリア
2周目→700/1,500問クリア
3周目→1,200/1,500問クリア
4周目→1,500/1,500問クリア
動画や音楽を聴きながらゆる〜くで良いので、周回数を重ねて徐々に脳にすり込みましょう。
「できた問題」にチェック入れていき、1周ごとに問題数を減らしていくと効率的ですよ。
おすすめ参考書⑥『英文法ファイナル問題集』
『Vintage』が終わったら、英文法の仕上げとして『ファイナル問題集』に取り組みましょう。
すべての文法項目がランダムに出題されるので、テスト形式で習熟度をチェックできます。
『ファイナル問題集』には難関編もあるので、MARCH以上の大学を志望する方は2冊ともやって下さい。
「難関編」まで極めれば、受験英語の文法問題で点を落とすことは無くなるので。
【英文法まとめ〈受験生向け〉】
❶『高校3年間を10日間』復習用→1周
❷『ヴィンテージ』メイン問題集→4周
❸『ファイナル問題集』テスト→1,2周
【関連記事④】ゼロから難関大学に合格する英語勉強法
英語の偏差値を、短期間で70~80まで伸ばす勉強法を5ステップで解説します。
実際にぼく自身が、高3の8月から半年で難関大に合格するため、実践してきた勉強法です。
4. 英文法おすすめ参考書【社会人・大学生向け】
最後に、英語を学び直したい社会人・大学生向けの文法参考書を4冊紹介します。
TOEICや英検だけでなく、英会話でも文法の知識は必須。この機会にマスターしましょう。
おすすめ参考書⑦『1億人の英文法』
まず1冊目は「英文法の辞書」といわれる、超王道の参考書『1億人の英文法』です。
冒頭は中学・高校の基礎的な文法から始まり、難関大レベルの文法まで到達。
そしてTOEICや英検などの英語試験、さらに英会話まで想定して書かれています。
また『1億人の英文法』のメリットは、文法を「ネイティブ視点」で解説していること。
なので「話すための英語」を学びたい学習者にとって『1億人の英文法』に勝る文法書はありません。
ちなみに『1億人の英文法』は、1ページ目から通して読むのはおすすめできません。
600ページ超とあまりにも分量が多いですし、全項目がすべて均等に重要なわけではないので、通して読むのは非効率的です。
ぼくは受験生時代からずっと本棚に置いてあり、英検の作文問題やTOEICの文法問題を解くときにも参考にしてました。
おすすめ参考書⑧『TOEIC650点突破!文法講義の実況中継』
TOEICパート5,6で出題される文法を、講義形式でわかりやすく解説している参考書。
ぼくの経験上、TOEICで700点を超えられない人は「単語」や「文法」が甘い人が多いです。
❶L/Rの基礎がインプットできてない。
❷Part5,6の回答に時間がかかりすぎる。
単語や文法はパート5,6だけでなく、リスニング・リーディング両方の基礎となるスキル。
なので文法の理解が甘いと、当然全パートの正答率が下がります。もったいなすぎますね…
TOEICリーディングを時間内に終わらせるためには、以下のような時間配分が理想です。
Part5:10分
Part6:10分
Part7:55分
つまりPart5,6の文法問題にかけられる時間は、たったの20分しかありません。
ちなみにぼくの中で『実況中継』は、TOEICのPart5,6対策書では1番解説が充実してる参考書。
おすすめ参考書⑨『English Grammar in Use』
イギリスの名門、ケンブリッジ大学から出版されている英文法書です。
シンプルな英文と豊富なイラストで、世界中の英語学習者から愛用されています。
洋書なので敬遠されがちですが、文法用語などの難しい単語は、最低限しか出てきません。
もちろんネイティブが書いて、ネイティブが監修してるので、英語は自然なものだけ。
「ネイティブがどんな感覚で使ってるのか」が、詳しく解説されているのも本書の特徴。
英語の細かいニュアンスまで理解できるので、自分が英語を使うときにも役立ちます。
ぼくが持っているのは4thバージョン(上記リンク)ですが、2019年1月に5thが出版されてます。
ただ内容はそこまで変わらず、4thの方が値段が安い+kindle対応なので4thをおすすめします。
おすすめ参考書⑩『TOEICテスト 文法問題でる1000問』
「社会人向け参考書」で紹介した4冊のうち、1冊でもこなせれば文法の知識は十分。
最後に『でる1000問』を使って「知ってる文法」を「解ける文法」にアップデートして下さい。
しかしこれ1冊をこなせれば、TOEICのパート5,6で点を落とすことは無くなります。
内容は、受験生編で紹介した『Vintage』のTOEIC特化バージョン。
ただしレベルは『Vintage』よりも高く、かつ問題がバラバラに出題されるのでより実践的です。
『Vintage』の項目でも話した通り、文法の問題集を効率的に勉強するコツは繰り返し。
【文法問題集の進め方】
1周目→300/1,000問クリア
2周目→700/1,000問クリア
3周目→1,000/1,000問クリア
【関連記事⑤】英単語の覚え方5選
下の記事にて、英単語帳を20冊以上使ったぼくが、単語の効率的な覚え方を紹介します。
ぼく自身の失敗を元に「NGな暗記方法」もあわせて解説しています。
【関連記事⑥】英文解釈おすすめ参考書4選
リーディング上達のプロセスは「①暗記」→「②精読」→「③多読」の3ステップ。
②の精読力をつけるため、こちらの記事で紹介する英文解釈の参考書をこなして下さい。
はじめまして。29歳サラリーマンでいつもサイトを拝見させていただき、勉強させていただいています!ありがとうございます!
私は、学生時代にほとんど英語の勉強をしたことがなく、社会人になってから本当の一から英語学習を、はじめました。3年勉強していますが、猛勉強し、一年半でトイックは900弱で、そこからIELTSなどをやったのですが、あまり伸びずで、現在英検一級取得を目標に取り組んでいます。基礎文法は理解しているつもりだったのですが、複雑な文書が読めるようにならず困っていたところ、英文解釈に出会い可能性を感じました。手順としては谷村さんが紹介されている解釈本4冊を全てこなしてから、(解釈の段階ではあまり長文を平行して読まずに徹底して解釈)リーディング長文に挑んだほうが効率が良いのでしょうか?ネットの学習塾などでは、解釈本をやったらその解釈本にあったレベルの長文を読んで、血肉化してから次の解釈本にいかなければ、結局長文は読めないと言っているのを聞きました。実際私は問題なく英検一級リーディングが読め、その後は英字新聞、洋書などがスラスラ読めることをゴールにしているので、解釈をやって、受験英語長文(例えば解釈の技術100をやって関関同立の長文)とすると少し遠回りからと思うのですが、解釈と長文を交互にやらなければ真の力はつかないのでしょうか?一気に解釈を透視図あたりまですませて、英検一級リーディングにうったほうが効率が良いでしょうか?
アドバイスいただけますと幸いです。
宜しくお願いします
たくさんこんにちは!
1年半でTOEIC900はすごいですね…
結論から申し上げると、英文解釈を集中してこなしてから、多読に入るやり方でokだと思います。
仰って頂いてる、某学習塾のやり方だとやはり遠回りです。
ぼく自身「英文解釈を4冊集中して終わらせる」→「多読」の順序でやってリーディング力を鍛えたので、たくさんも「透視図まで終わらせる」→「英検の問題解く」で問題ないと思います。
その順序が1番スピーディで、かつ効果が高いですよ。