受験生
英文解釈は、難関大学を目指す受験生にとって必須。これをこなさずに難関大の合格はあり得ません。
この記事では英文解釈を10冊以上こなした解釈オタクの僕が、選りすぐりの良書を4冊紹介します。
【こんな方に読んでほしい】
▶︎偏差値60以上の難関大学を目指す受験生
▶︎TOEIC800以上を目指す大学生・社会人
▶︎リーディングを底上げしたい英語学習者
もちろん大学受験だけでなく、TOEICや英検などの試験も、英文解釈を避けては通れません。
目次
1. はじめに:当記事の信頼性
僕の英語リーディングの経歴は、大学1年時に英検準1級、大学3年時にTOEIC930点を取得。大学卒業後に英検1級に合格しています。
受験時には、進学を決めた関西の旧帝大に加え、難関私大(いわゆる早慶上智)を三つと、文系科目、とくに英語が難関と言われる大学に受かっています。
この記事を書いている現在は、趣味で月に5冊から10冊ほど洋書を読んでいますが、文章が難しくて理解できない、ということはまず起こりません。
ちなみに今日ご紹介する4冊以外だと、こんな参考書もやってました。
▶︎英文解釈教室
▶︎ビジュアル英文解釈(上・下)
▶︎英語リーディング教本
▶︎基礎英文問題精講
▶︎英文読解のナビゲーター
冒頭で触れた通り、どのレベルの人にとっても、必要な参考書は今日紹介する4冊だけ。これを順番どおりにこなせば、難関大学はどこでも狙えます。
2. 英文解釈をサボると英語偏差値60は超えられない
受験生に「英文解釈」が必要な理由はシンプル。偏差値60の壁を突破するためです。
というのも、英語の文章は(単語さえ分かれば)勘でも読めますが、解釈力のない人が勘で読むと正答率は良くて7割ほどです。
これは僕自身の経験ですが、受験勉強を始めた初期のころは単語と文法を鬼のように暗記していました。
なのに英語模試の結果はいつも偏差値55~60。ひどい時は45なんて回もありました。
当然ながら、後天的に学習する外国語をセンスで解いたところで、点を取れるはずがありません。というかそもそも僕にセンスなんてものはありませんでした…
なぜなら、単語や文法を覚えただけでは、たんに英語を「知っている」だけの状態だから。
単語や文法など丸暗記した知識を、「使える」知識にアップデートするために、英文解釈が必須なのです。
例えて言えば、単語と文法を覚えただけの状態というのは、野球を始めたばかりの人がバットとグローブを手に入れた直後の状態です。
最低限の道具だけ渡されて「あとは試合に出まくれ」と放り出されるようなもの。正しいバットの振り方を知らないまま試合に出たって、そりゃ打てません。
こんなにも大事な英文解釈ですが、ほとんどの学校では触れられることすらないのが実情です。
ちなみに僕の通っていた高校の英語の授業は、文法を教えた後は、ひたすら多読させるという方針でした。
また単語文法と違って、英文解釈には「一家相伝」的なところがあります。つまり、教える人によってセオリーや方法論、そして技術に差が出るということ。
なので、すべての教師が高いレベルの英文解釈に通じることは不可能であり、そのため(一部の恵まれた進学校の生徒さん以外は)参考書による学習が必須になるのです。
3. 英文解釈を始めるタイミングは「単語・文法」をインプットした直後
英文解釈の勉強を始めるベストタイミングは「単語・文法」をインプットした直後です。
英語の偏差値を上げるためには、以下の3ステップを意識して学習する必要があります。
❶「単語・文法」英語の基礎を暗記。
❷「精読」読解の “質” を高める。
❸「多読」”量” をこなしアウトプット。
この段階で多読は一切せず、行なっていたのは徹底して英文解釈。
その結果、英文解釈をこなしただけで偏差値65を切ることがなくなりました。
焦って「多読」に走る必要はありません。まずは今日ご紹介する4冊を仕上げて下さい。
【関連記事①】英語リーディングを極める3ステップ
先ほど触れた3ステップでの具体的な学習法は、下記の記事で解説しています。
英語のリーディングを得意にしたい方はぜひ読んで下さい。
【関連記事②】おすすめ単語帳10選
英語リーディングに必要な単語量は2,000語。ここに達してないと、英語学習のスタートすら切れません。
下記記事にて、受験生に人気の参考書を10冊選んだので、単語力を鍛えたい人は必見です。
【関連記事③】文法!
4. 英文解釈のおすすめ参考書4選
TOEICや英検を取得したい社会人や、難関志望でない受験生は最初の2冊を。
旧帝大・早慶レベルの難関大を目指す受験生は、4冊全てやって下さい。
4-1.おすすめ参考書①『英文読解入門 基本はここだ!』
1冊目は、西きょうじ先生の『英文読解入門 基本はここだ!』
僕はこれまで英語の参考書を100冊以上読みましたが、その中で1番ためになった書籍を1冊挙げるなら迷わずコレ。
僕はこれを初めて読んだとき、感動しすぎて7周ぐらい繰り返しやった覚えがあります。
2,3周やればさすがに内容は把握してますが、この本は何周読んでも新しい発見があったので。
それまではほとんど暗号だった英文が『基本はここだ!』を読み進めるうちに、みるみるクリアになっていく感覚はまさに快感でした。
結局これを7周こなした直後にセンター模試を受けましたが、この時点で英語偏差値が65を超えました。
『基本はここだ』で出てくる英文は、すべて中学高校レベルの単語・文法で構成されています。
なので一見簡単に見えますが、英文解釈力がない最初のうちはほとんど読めません。
ちなみに『基本はここだ』の学習プロセスは以下のとおり。
❶難文を自力で解く。
❷解説を読む。
❸自然に解釈力がつく。
❹①〜③を繰り返す。
「英文解釈」というと、難しい参考書をイメージする方が多いかもしれません。
しかし『基本はここだ』はむしろ、SVOCなど基礎中の基礎から読解力を鍛えるための本。
4-2.おすすめ参考書②『基礎 英文解釈の技術100』
2冊目は、桑原信淑先生の『基礎 英文解釈の技術100』
『基本はここだ』を読んだ後にこなせば、英文解釈の「基礎力」が完成します。
ちなみにこの参考書をこなせば、MARCHや関関同立、センター試験は楽勝になります。
タイトルには「基礎」とありますが、1から100まで項目があり網羅性が高いのが特徴。
【学習プロセス例】
1週目終了→残り80/100項目
2週目終了→残り50/100項目
3週目終了→残り30/100項目
という流れで、1周ごとに「理解できた項目」を潰していくと、次の週の負担がだんだん少なくなっていきます。
これを続ければ、だいたい3周目ぐらいで全体の7割を理解できます。
英語の参考書は、全体の7割ぐらいまで理解できたところで、思い切って次に進むべきです。
なぜなら次のレベルの参考書で、取りこぼした3割はまた学べるからです。
また『基礎 英文解釈の技術100』は、今日挙げる4冊の中で唯一、音読用CDが付属しています。
解説を読んで内容を理解した後、何度も音読して解釈技術を脳に刷り込みましょう。
【関連記事③】音読の効果・やり方
音読の効果・やり方を知りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。
音読のコツやおすすめ教材なども紹介しており、この記事1本で音読について網羅してます。
4-3.おすすめ参考書③『ポレポレ英文読解プロセス50』
3冊目は、西きょうじ先生の『ポレポレ英文読解プロセス50』
難関大志望の受験生から、20年以上も読み継がれている英文解釈の名著。
『基礎 英文解釈の技術100』からかなりレベルが上がるので、難関志望でない受験生はとってはもはや不要です。
しかし難関大を目指すなら『ポレポレ』レベルの解釈力は必要不可欠。
むしろこのレベルが読解できないと、東大京大外大では箸にも棒にもかかりません。
ちなみにレイアウトや形式・進め方は『基本はここだ』と同じ。唯一の違いは難易度です。
❶『基本はここだ』→ Lv.30
❷『基礎英文解釈の技術』→ Lv.50
❸『ポレポレ』→ Lv.70
ただし一度『ポレポレ』をこなしてしまえば、難関大以外の英語試験で苦戦することは一切なくなりますよ。
『基本はここだ』と同じく、話し言葉で書かれており文章が非常に読みやすいのも魅力。
また扱われる問題数も50と少ないので、サクッとこなせるはず。
それに3冊目となると解釈練習自体に慣れてくるので、1冊の参考書にかかる時間が激減します。
【コラム】『基本はここだ』→『ポレポレ』はNG
同じ西きょうじ先生の参考書ですが『基本はここだ』の次に『ポレポレ』を始めるのはNG。
この順でやってしまうと、まず挫折します。理由は2冊のレベルが違いすぎるから。
❶『基本はここだ』→ Lv.30
センター8割レベル
❷『基礎英文解釈の技術』→ Lv.50
センター満点・MARCH合格レベル
❸『ポレポレ』→ Lv.70
難関大合格・TOEIC900点レベル
❹『英文読解の透視図』→ Lv.100
受験無双レベル・読めない英文がなくなる
4-4. おすすめ参考書④『英文読解の透視図』
最後は、篠田重晃先生の『英文読解の透視図』
『基本はここだ』で、初めて英文がクリアに理解できる感動を味わいましたが、ここでもまた同じ経験ができました。
それも、どんな難しい問題を解いても、わからない英文が一切出てこないという圧倒的快感。
『英文読解の透視図』で扱われる問題数は46題。
題数自体は多くありませんが、全てが「最難関大」の過去問で構成されています。
しかしこれを2周ほど解いた時点で、ぼくの英語偏差値が75を下回ることはなくなりました。
ちなみにぼくは大学入学後、TOEIC900も英検準一級もかなり余裕で取れました。
もちろん英文解釈のおかげというのは言うまでもありません。しかしぼくが強調したいのは、解釈力は1度身につければその後何年たっても衰えないということ。
5. 英文解釈が終わったら「多読」のトレーニングだけ
参考書の紹介は以上です。この4冊をやり込めば、後はもう多読で数をこなすだけ。
もう難しくてわからない文章は無いはずなので、安心して多読で読解スピードを上げていって下さい。
日本の受験英語はめちゃくちゃ難しいです。その分求められる英文解釈力も高い。
実際、ぼくは大学入学から今まで、受験英語以上に難しい英文に出会ったことがありません。
いちど英文解釈を習得してしまえば、受験終了後も英語リーディングで困ることはなくなりますよ。
【関連記事④】ゼロから難関大学に合格する英語勉強法
英語の偏差値を、短期間で70~80まで伸ばす勉強法を5ステップで解説します。
実際にぼく自身が、高3の8月から半年で難関大に合格するため、実践してきた勉強法です。
【関連記事⑤】英語長文の読み方・解き方のコツ7選
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今速単をやっているんですが、速単をやったら直で英文解釈に行っていいんですか?
それとも文法やったり熟語、構文やったりしてからの方がいいですか?当然質問すいません